最近のテレビは“冷凍食品のレンチン”くらい手抜きだと思う

クイズもミステリーも、いまやネットの切り抜き動画にすら負ける雑さで作られている。
可愛い動物と誰得なアイドルの顔芸で尺を埋め尽くす番組を見て、『これが娯楽の最先端か?』と思わず呟いてしまった人へ。
安心してほしい、同じことを思っている人間がここにもいる。

最近のテレビ番組が「動画頼り」だらけになった

可愛い動物&海外衝撃動画ばかり

近頃のテレビをつけると、どの時間帯も「可愛い猫や犬のほっこり映像」や「海外で起こった信じられない瞬間」みたいなコンテンツばかりが流れている。
確かに映像自体は面白いし、一瞬「おっ」となるけど、どの番組を見ても似たような動画ばかりなのが問題だ。
「この子猫はすごい!」とか「この事故映像は衝撃!」みたいにナレーションを変えているだけで、流している動画自体はSNSで何度も見かけたような二番煎じだらけ。
しかも、1つの動画を小分けにして「CM前後」で引っ張る姑息な演出に、観ている側はウンザリしてしまう。
さらに深刻なのは、制作側も「ネットから動画を拾って編集すれば簡単に尺を稼げる」という安易な方向に流れきってしまっている点だ。
手軽に視聴率を取りたい思惑も透けて見え、「またかよ…」と冷める。お茶の間を笑顔にするはずの番組が、逆に飽きを加速させている現実を、テレビ業界は本気で自覚すべきだと思う。

ミステリーや世界の事件紹介も動画特化へ

かつては推理や検証を交えた硬派なミステリー番組や、海外の不可解な事件をじっくり解説してくれる番組があった。だが今は「世界のヤバい映像」的な動画特化にシフトしてしまい、番組内容はまるでVTR集の寄せ集め状態だ。
ナレーションで無理やり不気味さを煽る割に、肝心の真相や背景解説はほとんどなく、結局「海外の謎の動画を流して終わり」になっているケースが多い。
だから事件の背景を知りたくてチャンネルを合わせたのに、物足りないどころか「時間を損した感」がすごい。
しかも、同じ動画を使い回して複数の番組で使うケースも増えている。内容は「世界のありえない事件」でも「人類未解決のミステリー」でも、動画は一緒。
結局どのジャンルも「とりあえず動画で見せとけ」な構成に堕しているのが悲しい。
制作側が真面目に取材したり、深堀りしたりする熱意を完全に失っているように見え、視聴者をナメてるのか?と感じざるを得ない。

クイズ番組ですら「純粋」じゃなくなった

知識を競い合うクイズ番組って、答えを考えながら観るだけで頭の体操になるし、学びもあって面白いものだった。
だが最近は「秋の味覚を当てる」「沿線ごとの駅名クイズ」「人気観光地ランキング」など、季節ものやご当地ネタにばかり偏ってしまっている。
一度なら気分転換に良いけど、番組全体がこうした特化企画だらけになると、問題が単調で知識を問うというより“豆知識の押し付け”になってしまう。
クイズ番組本来の「幅広い知識力を競う面白さ」は失われ、視聴者としては「雑学をなぞらされているだけ」と感じてしまう。
しかも企画に合わせてゲストもテーマありきの人選ばかりで、例えば「鉄道芸人」とか「ディズニー好きタレント」などを集めては内輪ノリの雑談で時間を潰し、クイズを進行している風を装っているのも興ざめだ。
結局「視聴者層を広げたいから」という理由で作ったであろう特化テーマが、クイズ好きだったコア層を逆に遠ざけているのではないか、と感じる。

某アイドルグループ問題、結局元通りでは?

事件後に一時減ったが…

あの某J事務所の大きな事件が世間を騒がせたとき、確かにテレビからグループ出演が一時的に減ったのは事実だ。
ニュースでも「業界の体質が変わるか?」みたいに言われ、他の事務所の若手タレントや俳優が少しずつ番組に出始めたのを見て、「変わるかもしれない」と期待した視聴者も多かったと思う。
だが、しばらく経ったらどうだろう。あれだけ問題視されていたのに、気づけば徐々にまた同じ事務所の顔ぶれが戻り始め、以前と大差ないメンツが画面に並んでいる。
下手をすれば「名前を微妙に変えた見知らぬ若手グループ」が新顔のように出てきているが、実質的には何も変わっていないように見える。
この流れを見ていると「初期の沈静化が終われば元通りになる」という既定路線が最初からあったんじゃないか、と邪推したくもなる。
いち視聴者としては「変わったフリ」だけで終わった感が拭えず、テレビに対する不信感がより強くなったのが正直なところだ。

デビュー前の「誰?」が増殖

特に近年気になるのが「デビューすらしていないのにテレビに出ている若手」が爆発的に増えていること。曲も出していない、映画にも出ていない、でも「謎のイケメンユニット」や「新アイドル候補」として当たり前のようにテレビに出てきている。視聴者としては「誰?」以外の感想がない。
彼らは経験が浅いせいかトーク力も微妙で、周囲の先輩タレントが気を遣って盛り上げる必要がある。それが見ていて痛々しいし、スタジオ全体の空気感も微妙になる。おまけに、彼らが視聴者に覚えてもらおうとする“無理なキャラ付け”や“空回りのアピール”が、見ている側を白けさせる要因になっている。
昔は「有名になったからテレビに出られる」のが当たり前だったが、今は「売るためにとりあえずテレビに出す」戦略に切り替わったようにしか見えない。番組を見続けるモチベーションが保てなくなり、「自分の好きだった番組なのに、もう観たくない」と思わされてしまうのが本当に残念だ。

「タレント」の意味が形骸化している

タレントってそもそも何だった?

昭和や平成初期の頃は、バラエティに出るMCやレギュラーといえば「タレント」と呼ばれる存在だった。
芸能活動をメインにしていて、芸やトークで盛り上げるのが仕事。そこに俳優や歌手、スポーツ選手など異業種の人がゲストで呼ばれる形が当たり前だった。
でも今はその境界線が完全に崩壊している。
歌手や俳優が番組の顔を務めるのは日常茶飯事だし、最近では声優まで「レギュラー」や「MC」としてガンガン出てくるようになった。
裏方的だった声優が地上波でバラエティの進行を担っているのを見たときは「いやいや、ここまで来たか」と思わず笑ったほどだ。
確かに言葉の定義としては「タレント=才能のある人」だから間違っていないんだろうが、日本のテレビ文化における「タレント」という言葉は、もっと独自のニュアンスがあったはず。今の状況を見ていると「全員タレントなら、もはや職種名を名乗る意味ある?」という気持ちになる。

どんな職業でもテレビ出演=タレント?

いつの間にか「テレビに映ったらタレント」というノリになり、アイドル、声優、YouTuber、果てはSNSでちょっと流行っただけのインフルエンサーまで「タレントです」と紹介されるのが珍しくなくなった。
その肩書きの乱用ぶりに、もはや「タレントって何?」状態だ。
一方で、本当に職業として「タレント活動」をしている人たちが目立たなくなり、俳優や歌手、スポーツ選手など専門職を持った人たちが、あたかもタレント業を主軸にしているかのような扱いを受けている。
このズレが番組の内容にも影響していて、演技や歌の話を深掘りするでもなく「バラエティ的に面白いかどうか」だけを基準にキャスティングしている節がある。
結果として、特定分野で経験を積んでいない「とりあえず面白くなりそうな人」が量産され、結局面白くもなく、番組自体も質が下がる悪循環に陥っている気がしてならない。
肩書が形骸化したことで、テレビという舞台の「格」も下がってしまった印象だ。

単純に“面白くない人”が増えた

視聴者置いてけぼりの身内ノリ

最近テレビを見ていると、「この人、番組にいる意味ある?」と思うような若手や新人タレントがやたら増えた印象だ。
彼らはとにかく存在感を出そうと必死なんだけど、内容が「内輪だけが笑ってるようなノリ」ばかり。仲間内で盛り上がってる雰囲気はあるけど、視聴者にはポカンとする空気しか伝わってこない。
こうした“視聴者置いてけぼり芸”は、周りが盛り上げないと成立しないケースが多く、結果として番組全体のテンポが悪くなる。
大御所やベテランタレントが仕方なくツッコミを入れたり、わざと笑ってあげたりしているのが透けて見える瞬間は、正直見ているこっちが恥ずかしくなる
昔の番組は「視聴者を楽しませる」ことが最優先で、タレント同士の関係性を見せるのはあくまでスパイス程度だった。
それが今は「出演者同士の内輪ウケ」が主役になってしまっているから、視聴者は置いてけぼりになり、つまらないと感じるのも当然だと思う。

キャラ作りの度が過ぎて白ける

天然キャラ、おバカキャラ、無礼キャラ…平成後期から今にかけて、こうした「分かりやすいキャラ」で売り出す戦略はどんどんエスカレートしていった。
最初は「素で面白い人」がブレイクしていただけだったのが、次第に「無理してキャラを作っている感」が漂う人が増え、見ている側は痛々しさを感じるだけになった。
とくに最近目立つのが「誰にでもタメ口で行く人」「あえて失礼な態度を取って笑いにしようとする人」だが、これも行きすぎると単なる不快感にしかならない。
番組を盛り上げるどころか、その人が出ている瞬間は空気が冷え切り、結果としてその番組自体の印象が悪くなる。
視聴者は思った以上に冷静に見ていて、嘘くさいキャラ付けはすぐに見抜かれる。
キャラ作りは多少あってもいいが、やりすぎた結果「面白い人」どころか「見たくない人」に成り下がってしまっているのが現状だと思う。

おわりに

私はどちらかと言えばアナログ人間である。
情報収集は基本的にニュースだし、何か気になることがあって調べるなどがあった時、ブラウザに表示されているニュースを読むぐらい。
まだまだ私の生活にはテレビが息づいている。

でももう、流石に擁護できないほどにテレビは死んでしまった。
若い人がテレビを見ていないと言うのなら、今の視聴者と言えば
適当に見ている若い人、私のようにまだテレビが好きな中年層、そしてテレビが中心の高齢者がベース層になるだろう。
しかし私の母曰く「最近のテレビはうるさいだけ」だそうだ。
基本的にニュースを見ているのだが、ニュースの間に挟まるコーナーが内輪のノリで寒い。
何より中心人物であるはずのタレントよりも、カメラマンやディレクターの声が大きすぎないかと最近は思う。

「さあ、今回は〇〇さんにコレをしてもらおうと思いま~っす!」
「えぇ~?マジ…これ苦手な企画なんだけど!」
「だははははwwwwウヒッwwwwハハハハwww」

画面外からの笑い声とか大きすぎない?
なんでしょうね、Youtubeと同じようなノリが増えた気がします。
だったらもうYoutube見てたら良いじゃん、的なね。

お笑い番組も叫べば面白いと思ってる人が増え、何言ってるか分からない。
音楽番組は某隣国のパクリみたいな人たちが増え
唯一楽しみにしているクイズ番組はネタ切れになり…。
そりゃテレビ離れとか言われても仕方ないよなって。

私はテレビが好きだ。
だからこそ頑張って欲しい。
まぁ…最近はパズルゲームしながらBGMとして裏で流してるだけになってるので
既に私も“テレビ離れ”の一派になっているのかもしれないが。

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